昭和電工は、液晶ガラスやハードディスク用ガラス基板の表面研磨に使用される研磨材酸化セリウムを値上げする交渉を開始したと発表した。
液晶テレビやハードディスクに使用されるガラス基板は、2005年から2006年にかけての大型液晶テレビの増産などから需要が急増し、2007年以降も市場の拡大が見込まれている。最終製品の高機能化・高品質化によりガラス基板に求められる品質要求も高くなっている。
同社の酸化セリウム研磨材ショウロックスシリーズは、これらのガラス基板の精密表面研磨に不可欠な材料だが、主原料である中国産酸化希土は、中国政府による輸出税の課税や輸出許可枠の削減による輸出許可証の手数料高騰、さらに一部原料工場の生産停止による需給のタイト化により、市場価格が高騰している。同社ではこれまで、合理化などのコストダウンにより原料コストアップを吸収してきたものの、原料の安定確保を通じた製品の安定供給体制を維持するため、今回値上げせざるを得ないとの結論に達したとしている。
値上げ幅は1kg150円で、10月納入分から。