イタリアで、内容を「全長4mまでの車種」に限定した自動車雑誌が創刊された。これはローマの出版社プブリコープ社が隔月で発行する『CITYCAR』誌。総頁数約160ページのオールカラーで、価格は2.9ユーロ(約460円)だ。公称印刷部数は約12万部である。
創刊2号では、2代目『スマート』の電気自動車仕様を巻頭で紹介しているほか、新型フィアット『500』と新型ルノー『トゥインゴ』を34ページにわたり特集している。
日本車でいちばんページが割かれているのはダイハツだ。『マテリア』の名前で輸入されている日本名『Coo』と、1.3リットル・エンジンが搭載された『コペン』を22ページにわたって紹介している。
巻末の現行市販車一覧リストも、全長4m未満か、それを僅かに超えるモデルに限定して掲載している。
イタリアの自動車税法は馬力による課税で、サイズによる区分はない。しかし、燃料高騰や都市部で悪化の一途を辿る駐車場環境を背景に、小型車の需要は以前から高い。実際、『CITICAR』誌のテリトリーであるシティカーと小型車だけで、月間新車登録台数の5割以上を占める。
なお隣国フランスには、同様に隔月誌でディーゼル車のみを扱う『DIESEL mag』誌がある。こちらも印刷部数は、『CITYCAR』と同じ12万部を誇る。新車登録台数におけるディーゼル車比率が73.45%(2007年第1四半期。フランス自動車工業会調べ)に達する国だけに、好調のようだ。
このように欧州の新自動車誌は特化傾向を強め、読者の関心を繋ぎ止めることを模索している。