焼酎1リットルを飲んで車線逸脱 猶予判決

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昨年11月、佐賀県武雄市内の国道35号で乗用車の泥酔運転を原因とする逸脱事故を起こし、2人に重傷を負わせたとして危険運転致傷罪に問われた54歳の男に対する判決公判が22日、佐賀地裁で開かれた。裁判所は執行猶予付きの有罪を命じている。

問題の事故は2006年11月3日の午後5時20分ごろ発生した。武雄市山内町付近の国道35号を走行中の乗用車が対向車線側に逸脱。対向車線を順走してきた45歳の男性が運転する乗用車など2台と正面衝突した。双方のクルマは大破し、順走側のクルマの運転者を含む2人が重傷を負っている。

逸脱車を運転していた54歳の男からは、呼気1リットルあたり1.24ミリグラムという極めて高い濃度のアルコール分を検出。事故直前まで数時間に渡って焼酎約1リットルを飲んでいたことが本人の供述から判明。警察ではケガの回復を待ち、今年5月に危険運転致傷容疑で逮捕。検察も同罪で起訴していた。

22日に行われた判決公判で、佐賀地裁の若宮利信裁判官は「被告が運転するクルマは対向車線側に逸脱した後、2台のクルマと次々に衝突しており、飲酒運転の危険性が表れた重大な事故である」、「被告は法を軽視する態度が著しく、事故後の通報も被害者任せにしていた」などと指摘した。

しかし、裁判官は被告が禁酒を行うことや、補償について前向きな姿勢を見せていることは評価。懲役2年(執行猶予5年)の有罪判決を言い渡している。

《石田真一》

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