7月30日に発表された新型トヨタ『イスト』。2代目となる新型は3ナンバー化されたボディや大胆なデザインなど、初代の雰囲気を踏襲しつつも、新たなる境地を切り開いている。
インパネまわりについてはデザイン性が高いが、車室内全体の印象としては落ち着いた雰囲気でまとめられているなというのが正直な感想だ。さまざまな表情を見せてくれるのが、イストの魅力といっていいだろう。
三浦清克チーフエンジニアによれば「インテリアに関してはモダン+スポーティをコンセプトに、くつろぎの空間としています」。さらに商品企画を担当した鈴木啓友氏は「シートのタッチにもこだわりました」と居心地のよさもしっかりと確保していると話す。
全体のクリアランスは、前後シート間=30mm、ラゲッジ前後長=50mmも拡大するなど、数値的にも余裕を持たせている。ただし気になるのは、ボディを3ナンバー化したといっても、全幅が枠を出てしまうだけで、全長は4m未満と寸法的にはかなり短いという点だ。その限られたなかで、ゆったり感を確保しているのはお見事といっていい。
さらに新型イストのパッケージングで注目なのが、多彩なシートアレンジ。とくにリヤシートの動きは絶妙で、まず前後150mmもスライド(FF)。さらに5段階でリクライニングするというから驚かされる。そしてシートバックを6:4分割可倒タイプを採用することで、荷物に合わせた自在なアレンジが可能。ワゴン的な使い勝手を実現しているといっていい。格好だけじゃない、使えるコンパクトというのが、イストの実力だ。