【神尾寿のアンプラグド特別編】クアルコム、MediaFLOの日本語版サイトをオープン 日本上陸に意欲満々

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◆「MediaFLO」の日本語版サイトをオープン

8月1日、クアルコムジャパンがモバイル向け放送技術「MediaFLO」の日本語版サイト(http://mediaflo-info.com/)をオープン。MediaFLOに関する最新情報やカンファレンス情報、メールマガジンの発行を行う模様だ。

MediaFLOは、米クアルコム社が開発したモバイル向け放送技術で、北米では今年3月に米Verizon Wirelessによる商用サービス「V CAST Mobile TV」が始まっている。

MediaFLOの最も基本的なサービスは、携帯電話やモバイル端末向けのテレビ放送であり、その点では日本の「ワンセグ(ISDB-T)」や、欧州市場の「DVB-H(Digital Video Broadcasting for Handheld)」に近い。しかし、MediaFLOは、他のモバイル放送規格が"固定テレビ向け技術の応用"であるのと異なり、当初から携帯電話やクルマなど"モバイル"での利用に適した技術開発を行っている。

さらにMediaFLOでは、テレビ放送だけでなく、モバイル端末のメモリーやハードディスクにコンテンツを保存する「クリップキャスト(蓄積型放送)」や、インターネットと同じ形式のデータを低コストで一斉同報する「IPデータキャスト」などの豊富な機能を用意していることも大きな特徴である。


◆アメリカで見た「MediaFLOの実力」

筆者は今年6月後半、ロサンゼルスで日本上陸より一足早く、Verizon WirelessのMediaFLOサービスを体験してきた。

実際の商用端末を利用してのテストは、ロサンゼルス市内の公園や、フリーウェイで走行中の車内から行ったのだが、日本のワンセグと比べて高画質な映像にまず驚かされる。北米では700MHz帯の周波数を使っており、エリア内ならば受信感度は良好。クルマでの移動中でも、映像や音声がとぎれることはほとんどなかった。受信時の感度や映像のクオリティ、またクルマ移動時の使い勝手は、日本のワンセグと比べて明らかに優れていた。

現在、アメリカで商用サービスをしているのはVerizon Wirelessのみであり、サービス内容も多チャンネルテレビ放送に限られている。しかし年内にはAT&TもMediaFLOサービスを開始する予定であり、ここではクリップキャストやIPデータキャストの活用も行われる予定だ。またAT&TとVerizon WirelessがMediaFLOを採用することにより、短期的な潜在ユーザー数は全米で1億2千万人になる。

クアルコムによると、北米では50Kワット局の送信局が認められているため、大都市ひとつのカバーにかかる送信局数も3局程度ですんでいるという。日本で展開するときは地形の関係で基地局数はもっと必要になるだろうが、電波の利用特性に優れるため「現在のワンセグよりは送信局の設置コストが安くなる」(クアルコム)という。


◆日本上陸の可能性は大。自動車メーカーも注目

クアルコムはMediaFLOのグローバル展開に積極的な姿勢を見せており、特に日本市場での商用化には強い意欲を持つ。今年6月8日は日本で「MediaFLO Conference 2007」を開催。今年11月には、MediaFLOの標準化を進める国際組織「FLO Forum」の会合が、東京で開かれる模様だ。

また、日本側でもMediaFLOに関心を持つ企業は増加。具体的なサービス開始に向けた動きも見え始めている。KDDIの子会社であるメディアフロージャパン企画やソフトバンクの子会社であるモバイルメディア企画など、携帯電話キャリア関連会社の動きは活発だ。特にモバイルメディア企画は、2011年の周波数再編前に、段階的にMediaFLO方式のサービスを日本で展開することに意欲を見せている。

れらMediaFLOの動きは、自動車業界から見ても注目である。筆者自身が北米で試した経験では、MediaFLOのサービス品質はクルマの移動速度でも十分に実用的であり、単なる多チャンネルテレビ放送サービスだけでなく、クリップキャストやIPデータキャストといった機能は、カーナビやテレマティクスとの相性も良さそうだ。携帯電話ネットワーク以外の"インフラ"として見れば、様々な新ビジネスへの応用も考えられるだろう。また、MediaFLOが北米市場で広がりを見せていることも、日本の自動車産業にとって注目のポイントである。

今後のクルマの進化の中で、通信・放送の新技術をどう取り込んでいくかは重要なテーマである。日米におけるMediaFLOの動きは、重視していて損はないだろう。
《神尾寿》

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