新型フィアット『500』のスタイリングを、そのプロトタイプである2004年『トレピゥーノ』から手がけてきたのは、フィアット・スタイリングセンターのロベルト・ジョリート部長だ。
ジョリートは、ローマ大学の工業デザイン科を卒業後、フィアットに入社。これまでに初代『ブラーヴォ/ブラーヴァ』、『ムルティプラ』などを担当してきた。
彼が500のデザイン作業を振り返って強調するポイントのひとつに、バンパー一体型フロントマスクがある。
「バッフィ(ひげ)に代表されるオリジナル500のアイコンを保ちながら、ソフトなノーズを実現した」としながら、それは欧州衝突基準の最高点である5ツ星クリアをはじめとする「新型の高い安全性を象徴する顔」と定義した。
いっぽう記者団からの「なぜ、イタリア市場における不人気色である白を、イメージカラーに選んだのか?」との問いには、「白はシンプルさの象徴であり、シンプルな形状が最もよくわかる」とし、さらに「(デカールなど)あらゆるパーソナライズに対応できる」と答えた。
今日イタリアにおける自動車の人気色は、シルバーメタリックや黒。白はタクシーの色と同じこともあって人気は今ひとつだ。派手な色も敬遠される傾向にある。新型500のカラーは12色用意されている。イタリア人がどんな色を選ぶのか、今から楽しみだ。