GMが「近未来の交通コミュニケーションシステム」として開発をすすめている「V2V」について最新の情報を明らかにした。V2Vとは文字通り、車同士がコミュニケーションを行い、道路の渋滞情報などを共有する、という究極のインテリジェント・ハイウェイシステムのこと。このシステムが一般的になれば、例えばつぎのようなことが可能になる。ハイウェイを走行中、突然交通がスローダウンする。しかしドライバーにはすぐにその理由が分かる。反対車線から来る車が、前方で事故渋滞が起こっていることをこちら側に情報として送信するためだ。また、パトカーなどの緊急車両の接近も報せてくれるから、早めに道を空けるなどの対応を取ることもできる。このほか、交差点に別方向から侵入する車があるかどうかをあらかじめ報せ、事故を予防する警報システムなど、V2Vには様々な可能性がある。V2Vはサテライトナビゲーションシステムを使い、LANによって個々の車をつなぐことで実現する。1台の車がコミュニケートできる範囲は500メートル四方で、前もって渋滞や危険を察知するには充分な距離だという。現在多くのメーカーがV2Vの実現を目指しているが、すべてが同じシステムで、しかも9割以上の車がシステムを設置して初めて機能することができる。GMによると、今すぐにすべての自動車メーカーがシステム導入を始めても、実際に機能できるにはあと10年は必要だと言う。しかし最初にシステムを実施することが今後のスタンダード作りにも役立つ。GMでは今年秋からシステムのテスト導入をヨーロッパで開始し、数年内にアメリカで販売する車にV2Vをスタンダード装備できる体制作りを目指している。
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