前走車へ故意に衝突して2人を死亡させた女に懲役15年を求刑

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昨年7月、山形県南陽市内の国道113号で前走車へ故意に追突する事故を起こし、被衝突側のクルマに乗っていた2人を死亡させたとして、傷害致死などの罪に問われた29歳の女に対する論告求刑公判が4日、山形地裁で開かれた。検察側は懲役15年を求刑している。

問題の事故は2006年7月5日朝に発生している。南陽市竹原付近の国道113号を約120km/hで走行していた乗用車が、前走する軽乗用車に激突。クルマ約30m弾き飛ばされて道路脇の水田に転落し、乗っていた男女2人が死亡した。

警察では追突側の乗用車を運転していた28歳(当時)の女から事情を聞いていたが、女は「軽乗用車に進路を妨害された」、「邪魔なのでぶつけてやった」などと、故意に追突したようなことをほのめかしていた。女は後に傷害致死などの罪で起訴されたが、精神科への通院歴があったことから、弁護側は精神鑑定の申請を行っていた。

4日に行われた論告求刑公判で、裁判所は弁護側が申し立てていた精神鑑定の実施を却下した。検察側は論告で「被告は幻聴が聞こえたと主張しているが、これは虚偽である」と主張。「被告が精神科に通院していたのは家庭内トラブルによるストレスが原因であり、事故当日も不満解消が目的で暴走していた」と指摘した。

また、検察側は「被告は被害者のクルマが進路を譲らないことに腹を立て、煽るようにスピードを上げ続けたことが事故に至った原因」とも主張。犯行は身勝手極まりないとして、裁判所に対して懲役15年を求刑している。

《石田真一》

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