3トンの鉄製箱落下事件で関係者を送検

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昨年12月、兵庫県西宮市内の阪神高速道路・神戸線を走行中の大型トラックが側壁に接触し、重さ3トンになる鉄製の箱が落下。後続車が衝突するなどして1人が死亡した事故について兵庫県警は4日までに運送会社の社長と、積荷の輸送依頼者(荷主)、依頼者が勤務する会社を法人として道路交通法違反(積載物の大きさ制限超過の下命)容疑で書類送検した。

兵庫県警・高速隊によると、問題の事故は2006年12月5日未明に発生した。西宮市甲子園町付近の阪神高速神戸線下りを走行していた大型トラックが道路左側の側壁に衝突。この弾みで積荷を固定していたワイヤーロープが切れ、荷台に搭載されていた海上工事用の鉄製箱(高さ1.5m、幅2.5m、奥行き5.5m、重さ3トン)が2個落下した。

このうち1個は本線上に落ち、避けきれなかった後続の軽ワゴン車が激突して44歳の女性が出血性ショックで死亡し、運転者が軽傷。もう1個は側壁を突き破って18m下の一般道に落下。歩道部分の地面に30cmあまりめり込んだ状態となった。幸いにも歩行者は無く、こちらではケガ人は出なかった。警察では大型トラックを運転していた55歳の男を道路交通法違反(安全運転義務違反)の現行犯で逮捕している。

後の調べで、落下した鉄製の箱はトラックの荷台幅(2.49m)よりも大きい2.67mだったことが判明。荷台から左右にはみ出した状態でトラックは走行していたことがわかった。荷台へ搭載する際には、荷主である建設会社の大阪営業所に勤務する43歳の副所長が立ち会っており、運転者は自分の会社に対して「荷台から左右に5cmぐらいはみ出しているよ」などと電話で報告していた。運送会社の社長はこれを受けながら「運べ」と指示していた。

警察では道交法に違反していることを関係者が認識しながら、輸送を強行したことが事故の一因になったと判断。関係者を同容疑で書類送検している。

《石田真一》

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