妄想が原因とした殺人依頼を請けた男に実刑判決

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昨年9月、妄想が原因の殺人依頼を受け、福岡県久留米市内の駐車場で無関係な男性を包丁で刺して重傷を負わせたとして、殺人未遂などの罪に問われた47歳の男に対する判決公判が5日、福岡地裁久留米支部で行われた。裁判所は懲役7年の実刑を命じている。

問題の事件は2006年9月9日の午後1時40分ごろ発生した。久留米市大石町付近の駐車場で、31歳の男性がクルマに乗りこもうとしたところ、見知らぬ男に襲撃され、顔や胸などを包丁で刺される事件が起きた。男性は全治1カ月の重傷を負ったが、刺した男は現場から逃走した。その後の調べで、実行犯とされる47歳の男ら4人が殺人未遂などの容疑で逮捕されている。

実行犯の男は、知人の暴力団員の男から「自分の命を狙うものがいて、そいつから盗撮や盗聴をされている。先に殺してくれ」との依頼を受けた。実際には依頼してきた男の妄想だったのだが、男は殺人の代価が覚せい剤だったことからこれを請けた。そして依頼側の男が「自分を狙う者が乗っている」と主張するクルマに乗っていた被害者男性がターゲットとなり、襲撃されたことが後の捜査で判明した。

5日に行われた判決公判で、福岡地裁久留米支部の長倉哲夫裁判官は「被告は極めて短絡的で身勝手な動機で犯行に及んだ」と指摘。その上で「情状に酌むべき余地はない」として、懲役7年の実刑判決を言い渡した。

《石田真一》

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