今年1月、滋賀県甲賀市内の国道1号でクルマを泥酔状態で運転し、工事現場で交通整理を行っていた警備員をはねて死亡させたとして、危険運転致死などの罪に問われていた35歳の男に対する判決公判が5日、大津地裁で開かれた。裁判所は懲役5年の実刑を命じている。
問題の事故は今年1月12日の午前3時40分ごろ発生した。甲賀市水口町付近の国道1号で、工事に伴う車線規制の交通整理を行っていた56歳の男性警備員に対し、停止指示を無視した乗用車が衝突。男性は頭を強打して間もなく死亡した。
運転していた男からは呼気1リットルあたり0.38ミリグラムのアルコール分を検出したことから、警察ではクルマを運転していた35歳の男を飲酒運転の現行犯で逮捕したが、当時の男は直立していられないほど酒に酔った状態。このため検察では「アルコールの影響により、正常にクルマの運転ができない状態にあった」と判断。危険運転致死や道路交通法違反の罪で起訴していた。
5日に行われた判決公判で、大津地裁の長井秀典裁判長は「被告はアルコールの影響により、酒を飲んだ店を出た時点では足元がふらついている状態だった」と指摘した。そのうえで「事故を起こしたのは当然と言うべき状態。無謀かつ危険な犯行」として、男に対して懲役5年の実刑判決を言い渡した。