現職警官、ATM窃盗団に覆面パトの情報を流す

自動車 社会 社会

福岡県警は23日、ATM(現金自動預払機)を狙った窃盗団に対し、覆面パトカーのナンバーなどの情報を提供し、その見返りに現金を受け取っていたとして、福岡県警・粕屋署に所属する55歳の警部補を加重収賄容疑で逮捕した。

福岡県警・捜査3課によると、逮捕された警部補は粕屋署・地域課に配属。粕屋交番係長職にあった2004年11月中旬から2005年2月上旬までの間、ATM窃盗団として逮捕・起訴された32歳の男に対し、覆面パトカーのナンバーや手配情報などを教える見返りに、この男から現金数十万円を受け取っていた疑いがもたれている。

警部補は保安課(現在の薬物銃器対策課)の特捜班員だった2002年春までに窃盗団の男と知り合い、いわゆる“情報屋”として使っていたとみられる。警部補はATM窃盗団の捜査には直接参加していなかったが、男に対しては犯行に使用する盗難車の手配状況などの情報を渡していた。

男は後に逮捕・起訴されれることになるが、福岡地裁小倉支部で2006年2月に行われた公判の際に警部補の実名を出し、「情報提供の見返りに金銭を渡していた」と陳述したことから捜査情報の流出の可能性が発覚。警察は警部補から事情を聞くなどの捜査を続けていたが、容疑が固まったとして逮捕に踏み切った。

警察では捜査情報が漏れた可能性は低いと考えているが、警部補を厳しく追及。渡した情報の内容についても確認を進めている。調べに対して警部補は現金授受は認めているが「借りていただけで、見返りではない」などと供述しているという。

《石田真一》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース