交際を巡るトラブルから口論となった女性を故意にクルマから振り落として殺害したとして、殺人の罪などに問われた35歳の男に対する判決公判が22日、新潟地裁で開かれた。裁判所は未必の殺意を認め、懲役8年の実刑を言い渡している。
問題の事件は2006年5月30日夜に発生している。新潟県新潟市長者町付近の市道で34歳の女性が頭から血を流して倒れているのが発見された。女性は近くの病院に収容されたが約8時間後に死亡した。
女性の着衣や肌には多数の擦過痕があり、頭部のケガが致命傷となったことから、当初はひき逃げが疑われたが、警察が女性の交友関係を調べたところ、発見される直前まで一緒に食事をしていた34歳の男が所有するRVのルーフ部分から女性の指紋を検出。後に男と女性が口論していたこともわかり、女性が走行中のRVから振り落とされたものと判断。男を殺人容疑で逮捕。検察も同罪などで起訴していた。
被告の男は殺意を否定していたが、22日に行われた判決公判で新潟地裁の大谷吉史裁判長は「被告は感情的になっていた被害者がドアハンドルに被害者がしがみついていることを認識していた」と認定した。
その上で裁判長は「被告は故意に蛇行を繰り返して転落させた」と、未必の殺意が生じていたことも認め、「瞬間的に理性を失った犯行で短絡的」として懲役8年の実刑を命じた。