大阪バス事故…家族経営が無理な勤務を助長した可能性も

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スキーツアーのバスがモノレールの橋脚に激突し、27人が死傷した事故について、大阪府警は21日、このバスを運転していた21歳の男性に過労運転の可能性があることを認めた。バス会社の経営者に対しても道路交通法違反(過労運転下命)などの容疑で調べを進める方針だ。

大阪府警・吹田署によると、事故が起きたのは18日の午前5時25分ごろ。吹田市津雲台7丁目付近の大阪中央環状線西行き車線を走行していた大型観光バスが道路左側にある側道との分離帯に接触。そのまま道路右側に弾き飛ばされ、中央分離帯部分に設置された大阪モノレールの高架橋脚に激突。バスは前部が大破し、最前部の補助席に座っていた16歳のアルバイト添乗員の男性が死亡。21歳の男性運転手を含む25人が骨折や打撲の重軽傷を負った。

その後の調べで、事故を起こしたバスには運転していた男性の母親であり、大型免許も持つ44歳の女性専務が途中のサービスエリアまで登場していたことが判明した。だが、運転は交代することなく、長野から大阪まで事故を起こした男性が1人で運転を担当していた。

また、この男性は事情聴取に対して「2月の休みは1日だけで、あとは休んでいない」、「ここしばらくは多忙で毎日のように大阪まで走っていた」と供述。「1日の睡眠時間も5時間以下」と答えていたことがわかった。

こうした勤務体制には会社側の意向が強く働いていたみて、警察ではバス会社の経営者についても道交法違反容疑での捜査を進める方針だ。ほとんど家族経営の状態だったため、勤務時間についての考え方がルーズだった可能性も高いとみられている。

《石田真一》

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