2日、茨城県つくば市にある日本自動車研究所の衝突実験場にて、カーテンエアバッグの効果を見るためのポール側面衝突実験が行われた。
午前中に行われた1回目の試験はエアバッグを展開しなかった場合の状態を試験、お昼をはさみ午後には2回目、カーテンエアバッグ、サイドエアバッグを展開させての試験が行われた。
試験結果は、カーテンエアバッグが展開しなかった場合のHIC(頭部傷害値)数値が「8611.6」、展開した場合の数値が「134.0」となった。HIC数値は、「3000」で即死とのことで、実際に試験と同じような事故が起きた場合、エアバッグが展開しなかった場合の乗員は死亡しているといっていいだろう。
この結果を受けて自動車事故対策機構は、「カーテンエアバッグは効果の高さを考えれば安価な安全装備である」とコメントしている。
今回の試験は、頭部にポールが直撃するという設定となっていて、29km/hという比較的低めの速度でも車体の変形量、頭部への衝撃も大きくなっている。しかしこれはレアケースでなく、現実の事故を考えれば、トラックなどの大型車との側面衝突などは今回の衝突エネルギーを超えることが考えられる。また、自動車事故対策機構では「車両横転時にもその効果が期待できる」ともコメントしている。
今回の試験で、レースなどでヘルメットを装着するのは伊達ではないということが分かるし、逆を言えば我々は普段丸腰で運転しているということが言える。メーカーの人にはがんばってもらって、側面衝突から身を守ってくれるカーテンエアバッグ、サイドエアバッグもフロントエアバッグと同じく標準装備にしていただきたい。