【検証】駐車監視民間委託4カ月 取締り件数急増中

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駐車監視員の導入から4か月が過ぎた。民間委託は違法駐車取締りをどう変えたか。現時点は9月のデータが集計中のため6−8月四半期の取締りデータと記者の独自取材をもとに、今後の取締り状況を分析する。

警察庁は先月、改正道交法施行3か月の実施状況を発表した。6−8月の放置車両確認標章(違反ステッカー)取付件数は右肩上がりで増えている。

全国の標章取付け件数は15万4125件(6月)、20万7133件(7月)、23万7900件(8月)と、3か月連続で増加している。駐車監視員への委託を行っている地域における駐車監視員の標章取付け取付け割合は、6月には43.2%だったが、8月には56.2%に上昇した。駐車監視員が巡回する地域の取締り件数は、そうでない地域の3倍以上の取締りを行っている。警察官の違法駐車取締りも増えてはいるが、その取締り件数を押し上げているのは、駐車監視員の活躍だった。

民間委託のなかった昨年と比較しても、取締り件数は着実に増加している。民間委託当初、前年同月比でそれほど差がなかった取締り件数は、今年8月に入ると10万件以上昨年より増えた。昨年の全国の月間平均取締り件数は、約13万3000件だった。今年8月の取締り件数は約23万7000件だ。

「警察官と違って駐車監視員は決められたルートを巡回するので、違法駐車が類型化され、手馴れてきたせいではないか」と、警察駐車対策関係者は語る。

いずれにせよこのまま8月の水準を維持すれば、法案審議で警察庁交通局長が答弁していた「2倍程度」という“目標”をほぼ達成することができることはまちがいない。

放置車両の確認状況(警察庁調べ)

6月
●放置車両確認標章取付件数 15万4125
●民間委託警察署取付件数 11万2681(100%)
●うち駐車監視員取付件数 4万8681(43.2%)
●うち警察官等取付件数 6万4000(56.8%)
●非民間委託警察署取付件数 4万1444

7月
●放置車両確認標章取付件数 20万7133
●民間委託警察署取付件数 15万9882(100%)
●うち駐車監視員取付件数 8万2691(51.8%)
●うち警察官等取付件数 7万7191(48.3%)
●非民間委託警察署取付件数 4万7251

8月
●放置車両確認標章取付件数 23万7900
●民間委託警察署取付件数 18万7275(100%)
●うち駐車監視員取付件数 10万5236(56.2%)
●うち警察官等取付件数 8万2039(43.8%)
●非民間委託警察署取付件数 5万0625

《中島みなみ》

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