【新聞ウォッチ】トヨタ欠陥放置、「危機管理」も放置?

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朝刊から気になるニュース、気になる自動車関連記事をピックアップ、その内幕を分析するマスコミクルージング(原則として朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版を対象にチェック)。

2006年7月13日付

●部品強度実験せず、トヨタ欠陥、88年モデルチェンジ時(読売・39面)

●ゼロ金利めぐり、きょう政策会合 解除へ詰め(朝日・3面)

●社説・トヨタ、安全軽視はなかったか(朝日・3面)

●国内販売計画、トヨタ、下方修正、市場悪化受け数万台(朝日・11面)

●楽天・全日空と提携、宿泊航空券ネットで同時予約(朝日・11面)

●世界企業番付、トヨタは8位後退(朝日・11面)

●軽自動車 生産能力増強相次ぐ、スズキ、ダイハツが新工場(毎日・8面)

●トヨタ欠陥、耐久実験で折れる95−96年 強度不足を認識か(毎日・29面)

●トヨタ、ブランドに深手 リコール増、部品共有化アダ(産経・8面)

●トヨタ歴代部長、2事故報告黙殺か、熊本県警、本社から資料押収(産経・31面)

●大企業病? 危機管理に甘さ、トヨタ欠陥放置、問われる業界トップの自覚(東京・3面)

●社説・トヨタ欠陥放置、安全は先取りが必要(東京・8面)

●トヨタに報告求める方針、国交省(東京・29面)

●日産・ルノー、GMと交渉へ 収益力格差、提携の重荷に(日経・13面)

●マツダレンタカー、欧州最大手と提携、法人顧客を共同開拓(日経・13面)

●訃報・泉勝氏・元東京日産自動車販売社長87歳(日経・39面)

ひとくちコメント

約8年間リコール(回収・無償修理)を怠り、人身事故を引き起こしたとして、トヨタ自動車の現職部長ら3人が、業務上過失傷害の疑いで書類送検されたが、きょうの各紙にも「トヨタ欠陥放置」に関連した記事を大きく報じている。

産経などによると「歴代部長が事故報告黙殺、上司に報告していなかった」ことが書類送検された部長らの供述でわかったという。また、88年のモデルチェンジ時に部品強度の実験をせず、その後も販売していたことも明らかになった。

さらに、朝日と東京は「社説」でも取り上げており、「今回の件は、リコールに対する業界の意識が変わる時期だからこそ起きた行き違いとの見方もある」としたうえで「生産台数を伸ばすなかで、安全への配慮がおろそかになってはいなかったか。捜査当局だけでなく、トヨタ自身による真摯な検証も急がれる」(朝日)と結んでいる。東京も「安全への取り組みは先取りが必要」と警鐘を鳴らしている。

先般、筆者はホンダのインド工場を取材する機会があったが、異国の地でも工場内の壁には創業者・本田宗一郎氏の「安全なくして生産なし」という標語入りのポスターが貼ってあった。トヨタが安全を軽視しているわけでもないだろうが、今回の件でトヨタは本当に落ち度はなかったのか。危機管理上、あってもなくても早急に担当役員らが記者会見などで経過報告をするべきではないだろうか。

《福田俊之》

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