【ボルボC70 北米リポート】揺るぎない安全へのポリシー

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オープンモデルではあるものの「4シータークーペとしてのデザインを先に考えた」、という新型ボルボ『C70』のパッケージングは、じつは見た目以上に実用性が高いもの。そうコメントのできる根拠はこのクルマの居住性にある。従来型と比べるとその全長をグンと短くした新型ではあるが、そうした数値上の変化とは裏腹にこのモデルまさに“フル4シーター”と表現するにふさしいキャビン空間を実現させているのだ。

『S40/V50』と同様のデザイン&レイアウトを持つ前席まわりに余裕があるのはもちろんのこと、後席での足もとやヘッドルームにも大人が長時間、それなりのゆとりをもって過ごせる空間が確保されている。ルーフ格納時にはさすがに200リッターにまで減少するものの、クーペ状態であれば400リッターの容量を確保するというトランクスペースもこのクルマの実用性を高めている大きな要因だ。すなわち、端的にいえば「これ一台でどんなシーンもOK」という万能性を発揮するのがこのクルマのパッケージング。カタログ上で“4人乗り”を謳うオープンモデルは世の中に少なくないが、現実にこれほどの多用途性を持つモデルは珍しい。

いっぽう、“安全フェチ”のボルボの作品だけに、このモデルでも安全性向上にかける意気込みのほども並大抵ではない。

ルーフメンバーが存在しないゆえに、ドアトリム上部に内蔵されたインフレータブル・カーテンは、フルオープン時でも自立性を発揮すべく縦型チャンバーを内外二層式として展開時の剛性を増した構造。また、その展開保持時間も数秒間と敢えて長めに設定し、横転時でもその効果が持続するようにプログラミングされている。

リアのシートバック後方に内蔵された格納式の逆U字型ロールオーバー・バーは、万一の際には火薬力によってレスポンスよく立ち上がる構造。じゅうぶんなストローク量を確保すべく、クーペ時にはリアのウインドを破壊して突破するための鋭いスパイクが先端に装着されたのもユニークだ。

前突時の衝撃をルーフ側で分散吸収できないため、サイドシル部分の強化とともにドアの上部フレームに沿って前後方向に強固なアルミ製ビームが内蔵されたのも、ボディ構造上の特徴。ただし、そうした構造はドアの開閉が重いというデメリットももたらしている。とくに、左右への傾斜地ではドア開閉にはかなりの労力が求められるのは、要改善ポイントだ。(つづく)

《河村康彦》

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