トヨタ自動車は23日の定時株主総会に取締役報酬の上限額引き上げを提案する。同日の株主総会で取締役の退任慰労金を打ち切るため、報酬の引き上げを行う。
提案では月額1億3000万円を約1.5倍の2億円にする。取締役報酬の改定は、旧トヨタ自工と自販が合併し、現在のトヨタが発足した1982年以来では初めて。24年に及んだ「ベア凍結」が解除される。
ただ、退職金相当分が報酬として毎年支払われるため、実質的に大幅なベアとはなりそうもない。
止される退職金は、在任期間に応じて算定され、実際には各取締役が退任する時に支払われる。在任期間が最も長いのは豊田章一郎名誉会長で、約54年となる。
新しい報酬の上限は年24億円で、今期は26人が対象。日産自動車(対象9人)の上限26億円に比べると、1人当たりではざっと3分の1にとどまる。