グッドイヤー『EAGLE LS3000 Hybrid』を、日本の高級車の代表格であるレクサス『GS350』に履かせてみた。タイヤサイズは225/50R17 94Vで、指定充填空気圧は、前後とも2.3である。
走り始めてすぐに高級車にふさわしいソフトフィーリングが感じられた。これはハンドリング性能と乗り心地の両方に関してである。
ハンドル応答性はシャープではないが、過敏ではなく高級セダンにふさわしいまろやかさを持っている。いつでもスムーズな反応である。ワインディングロードでのタイトターンでも大きなハンドル角までよく付いてくるから運転しやすい印象。手ごたえも切り初めからキッチリと実感でき、その重さは発生しているコーナリングフォースと比例しているからドライバーにわかりやすいし、ライントレースもしやすく感じられる。
また、ハードなコーナリングの際、さらにハンドルを切り込んでいく状況でも、追従性は高く、それはドライバーにとって、大きな安心感につながってくるだろう。
グリップ力そのものは、粘るという感じ。コーナリングで外側のタイヤに負荷が大きくなるようなケースでも、負荷が大きくなるほどに踏ん張る力も増してくるようだ。こうしたことから、重量級のクルマでも不安なくワインディングや高速コーナーを走ることができよう。
通常、タイヤへの負荷が大きくなれば、グリップそのものは次第に低下していくのが筋だが、このタイヤの場合、分子の結合が強くなるトウモロコシの特性を活用したハイブリッド・コンパウンドが高負荷時での好印象をもたらしているのだろうか。
また、グリップのようすは、限界点が高いだけでなく、グリップの仕方がナチュラルなのによく食いついているという印象をもった。コンフォート系タイヤでも粘り感のあるロードホールディングが実感できる。
乗り心地はソフトでカドがない。サイドウォールがしなやかで、トレッド面が硬くないことが功を奏し、伝わってくる振動そのものがオブラートに包まれたまろやかさなのだ。
パターンノイズやロードノイズなどの走行ノイズであるが、ノイズそのものに意識されられることのない出来だ。乗り心地も含めた快適性には問題はない。高級サルーン向けのラジアルというだけあって、乗り手に負担を掛けないタイヤに仕上がっている。