鋼材があることを認識していたか否か…落下事件の公判

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2005年7月、大阪府藤井寺市内の西名阪自動車道で走行中のトレーラーから落下した鋼材が対向車線の乗用車を直撃し、運転手を死亡させたとして業務上過失致死傷罪に問われた34歳の男に対する初公判が21日、大阪地裁で開かれた。被告は「積荷に鋼材があることは知らなかった」として無罪を主張している。

問題の事故は2005年7月19日の午前6時50分ごろに発生した。藤井寺市西古室1丁目付近の西名阪自動車道上り線で、走行中の大型トラックが落下物の鋼材(長さ2.5m、4cm角)を跳ね上げ、これが対向車線に飛び込んで47歳の男性が運転する乗用車を貫通。男性は頭に直撃を受けて死亡した。

警察では走行記録などから、この鋼材を落とした車両の捜索を行っていたが、後にこの鋼材はプレハブ建築用のものと判明。反対車線の上り線を滋賀県に向けて走行していた大型トレーラーから落下したことがわかり、運転していた男は業務上過失致死容疑で略式起訴されたが、簡裁は「略式相当の事案ではない」と判断。通常の公判として行われることになった。

21日に大阪地裁(増田啓祐裁判官)で開かれた初公判で、被告は「積荷の確認はしていて注意義務を怠っていないが、その中に鋼材があることは知らず、過失は無い」と従来の主張を繰り返し、無罪を訴えた。これに対して検察側は「被告は運転前に積荷を固定するベルトを締め直したが、資材が曲がらないようにするため、きつく締めなかった」と述べ、被告が鋼材を積載していたことを認知していたと指摘している。

《石田真一》

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