20日未明、群馬県高崎市内の県道で、18歳の少女が運転する乗用車が警察の交通検問を突破するとともに、対向車線を逆走し、道路脇の街灯や停車した乗用車へ次々に衝突。対向車線を走行中の大型トラックや乗用車が避けきれずに突っ込むなど、車両4台が関係する多重衝突事故に発展した。この事故で逆走車に同乗していた女性1人が死亡、運転していた少女など3人が重軽傷を負った。
群馬県警・高崎署によると、事故が起きたのは20日の午前1時35分ごろ。同署・地域課が高崎市高松町付近の県道で飲酒検問を行っていたところ、1台の乗用車が停止命令を無視してそのまま走り去った。
このクルマはその後、県道を右折して国道17号に入り、対向車線を逆走。高崎市常盤町付近で道路右側の街灯柱に激突。この事故を目撃して急停車した乗用車にも衝突した。また、その後ろを走っていた大型トラックも回避が間に合わず、逆走車が衝突したクルマを含めて2台に衝突や接触し、ようやく停止。結果として車両4台が関係する多重衝突事故に発展している。
この事故で逆走車に同乗していた18歳の女性が全身強打で間もなく死亡。運転していた18歳の少女が鎖骨を折る重傷。事故に巻き込まれた順走車の2人が打撲などの軽傷を負い、近くの病院に収容されている。トラックを運転していた男性にケガは無かった。
運転していた少女は警察の事情聴取に対して「帰宅するために急いでいた。検問があることには全く気がつかなかった」と話しているが、対向車線を逆走した経緯などについては話そうとしておらず、警察ではケガの回復を待って業務上過失致死傷容疑で詳しい事情を聞く方針だ。少女は1月末に運転免許を取得したばかりだった。