日本精工は、自動車ステアリング用の舵角センサをオフセットして装着することにより、衝突時のドライバーへの衝撃力の緩和性能を向上するコラムタイプ電動パワーステアリング(EPS)を開発し、2006年初頭から量産開始したと発表した。
自動車の走行安全性・快適性へのニーズから、横滑り防止、レーンキープ、駐車アシスト、可動ヘッドライトなど、自動車の高機能化が進められている。また、衝突時のドライバーに対する保護対策へのニーズも強くなっている。
新製品は、これら自動車の高機能化に不可欠なハンドル回転角度を検出する舵角センサを、コラム軸芯からずらした位置(オフセットした位置)に装着し、コラムの衝突時の衝撃力緩和性能を向上した。
EPSの減速ギを利用した舵角センサ機構により、衝撃力緩和性能を向上した。EPSの動力伝達に通常使われる減速ギヤに、新たに舵角センサ用のギヤを設けて、このギヤと噛み合うような舵角センサ機構とした。この結果、コラム軸芯からオフセットした位置に装着することを実現した。
オフセットしたことにより、ステアリングコラムにある衝撃吸収部分を従来より長くすることが可能となり、衝突時の衝撃力緩和性能が向上、ドライバーへの衝撃力が軽減する。
今年に年間40万本、2008年には80万本の販売を目指す。