昨年10月、神奈川県横浜市都筑区内の市道で乗用車を運転したいた際、下校中の高校生の列に突っ込む事故を起こし、9人を死傷させたとして危険運転致傷罪に問われた24歳の男に対する初公判が14日、横浜地裁で開かれた。被告は起訴事実を否認している。
この事故は2005年10月17日に発生している。同日の午前11時25分ごろ、横浜市都筑区南山田付近の市道を走行中の乗用車が雨で濡れた路面によってスリップし、カーブを曲がりきれずに逸脱。歩道を歩いていた高校生の列に突っ込んだ。この事故によって2人が死亡、7人が重軽傷を負っている。
警察ではクルマを運転していた23歳(当時)の男を業務上過失致死傷容疑で逮捕。男は「60−70km/hで走行していた」と供述していたが、その後の調べでこれを上回る100km/h以上の速度で走行していた可能性が高くなり、検察が危険運転致死傷罪で起訴していた。
14日に横浜地裁で行われた初公判で、被告は「100km/h以上の速度は出した覚えはなく、危険運転をした事実もない」として起訴事実を否認した。
これに対して検察側は被告のクルマが高性能なスポーツカーだったことを指摘。被告自身が「直線路を150-160km/hで走ったことがある」と供述していたことに触れ、「被告はクルマの加速性、スピード性について熟知していた」と指摘した。また、検察側は法廷に大型モニターを持ち込み、事故の瞬間を撮影していた防犯カメラの映像を静止画で映し出し、スリップに至る状況の説明も行っている。