証拠隠滅まで企てたひき逃げ容疑者を逮捕せず

自動車 社会 社会

兵庫県警は6日、昨年末に浜坂簡裁に事務官として勤務する50歳代の男が重傷ひき逃げ事故を起こし、任意で事情聴取を続けていることを明らかにした。ひき逃げであり、クルマを修理するなどの証拠隠滅も行っていたが、逮捕には至っていないという。

兵庫県警・浜坂署に寄ると、問題の事故は2005年12月23日の午後7時15分ごろに発生している。香美町村岡区森脇付近の県道で、46歳の男性が運転する乗用車に対し、対向車線側から逸脱してきた乗用車が突っ込んできた。そのまま正面衝突となり、双方のクルマは大破。衝突された側のクルマでは運転者を含む4人が重軽傷を負ったが、相手方のクルマは止まらずにそのまま逃走した。

警察では重傷ひき逃げ事件として捜査を開始。12月28日には事故を起こしたとみられるクルマが温泉町内の自動車修理工場に持ち込まれていたことを突き止めた。クルマの所有者は浜坂簡裁に事務官として勤務する50歳代の男で、任意聴取の結果「怖くなって逃げてしまった」と容疑を認め、以後も業務上過失傷害と道路交通法違反(ひき逃げ)容疑で任意による調べを続けている。

通常、ひき逃げの場合には「事故を起こした時点で逃走の意思が認められる」として逮捕されるケースが大半だが、今回の件では「身元の確認が出来ており、これ以上の逃亡や証拠隠滅の恐れがない」ということを理由に警察は逮捕に踏み切っていない。裁判所に配慮したものとの見方もできるが、クルマを修理に出すなど証拠隠滅まで企てた人物に対しての措置が適当かどうかは今後議論を呼びそうだ。

《石田真一》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース