BMWモトラッド(同社二輪車部門)は、新型『R1200RT』をベースにした警察・警護隊向け仕様車を、今年3月から全世界に向けて販売する。
新型R1200RT警察車両には旧型(『R1150RT』ベース)に比べて、特筆すべき改良が加わっている。27リットルの大型燃料タンクを装備。1速ギア比を小さくし低速安定性をさらに重視することによって、パレードなど長時間歩く速度にあわせるスピードもかなりやりやすくなった。リアサスペンションも市販車より強化されている。
また、警察車両として欠かせない新型高性能のデジタルディスプレイ速度計を2台搭載。ワンプッシュでその時点の速度を正確に確認することができる。緊急時のサイレンには、トーンシーケンスシステムを採用し、音量が4dbAも増加した。また、新たに「ライト解除」オプションを用意。エンジンがかかっている状態でもヘッドライトを消し、長時間待機のバッテリー消耗を防ぐ。
ヒートグリップ、シートヒーター、盗難防止用警告システムなど市販車と同様のオプションのほか、特殊用途専用の乗車したまま片手で鍵を使わずに上部を開けられるトップケースなども用意されている。
BMWモトラッドは1920年後半から警察向け特殊車両の製造を開始し、75年以上の実績がある。70年代以降には世界146カ国で10万台以上が販売された。警察車両はベルリン工場の特殊車専用の組立ラインで生産されている。現在の最大の顧客は、ドイツ、フランス、スペイン、イギリスだ。
BMW広報室は「ぜひ日本の警察にもご購入いただければ幸い」と、語っている。