「TRON SHOW 2006」が14日−16日にかけて東京・丸の内の東京国際フォーラムで開催されたが、そこにデンソーの次世代カーナビゲーションシステムの試作品が展示された。ガラスケースに入っていて、触ったりできないようになっている。
このカーナビシステムの特徴は、イーソル社のプロセスモデル・メモリ保護機能対応リアルタイムOS「eT-Kernel/Extended」が採用されていること。
eT-Kernel/Extendedはカーナビやデジタル家電などに最適なOSで、仮想アドレス空間を使ったメモリ保護機能により、ユーザプロセスが、他のプログラムが管理するメモリ領域やカーネルソースを誤って破壊することを防ぐ。これにより、開発時のデバックと最終システムの信頼性を向上させるという。
技術的な話で少し難しいが、Linuxよりも高速な起動時間やリアルタイム性を確保できるということだ。おまけにシステム全体をモジュール化して設計・開発することができるので、大人数で開発するのにも適しているという。
「カーナビをはじめとする大規模化が進むこれからのソフトウェア開発では、従来の最低限のカーネル機能だけを持つ『Micro Industrial Tron』などのリアルタイムOSでは対応できなくなってきており、プロセスモデル・メモリ保護機能を実装したリアルタイムOSが最良の選択である」とイーソルの上山伸幸取締役はコメントしている。