ヒラリーからブッシュへの驚きの手紙

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ヒラリー・クリントン上院議員が、アメリカの自動車産業が衰退する恐れがあるとして、ブッシュ大統領に警告する手紙を送ったという。自ら自動車産業立て直しのために「一肌脱ぐ」覚悟のヒラリーがブッシュ大統領に提案した内容が憶測を呼ぶ。

それは、国内の自動車メーカーのトップを集めた「サミット」を緊急に開催すること、そこで自動車産業が直面している「シリアス」な問題やサプライチェーンのあり方を見直す、というものだ。それ自体はなんら問題はない。クレジット会社の格付けで次々ジャンクボンド化されるビッグ3が深刻な問題に直面していると考えるのは当然だ。

問題はヒラリー・クリントン上院議員がこのサミットに「出席すべき」としている顔ぶれである。なんとそこにはブッシュ政権の代表、下院議員からの使者、州政府や自治体の代表者が、自動車メーカーの役員や労働組合の代表と共に名を連ねているのだ。

つまり、ヒラリー夫人は「自動車業界の問題は単なる業界の問題に留まらず、アメリカの政治的な問題である」ということを提議している。

自動車産業は言うまでもなくアメリカの基幹産業である。しかし政府主導のサミットが必要なまでに業界が抱えるほど問題は深刻なのか。それとも、女性初の大統領の座を狙っているとされるヒラリー夫人による、「自動車業界は男性だけに扱える問題ではない」というデモンストレーションなのか。政界、業界双方にこの手紙の真意を巡る憶測がいきかっている。

《Sachiko Hijikata, US editor》

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