18日日曜日午前、イタリア中部トスカーナで、フィアットの元会長チェーザレ・ロミティ氏(82歳)のクルマが家屋に激突する事故があった。事故が起きたのは、シエナ県南部のモンテプルチャーノ。
ロミティ氏が乗ったランドローバーが、所有する別荘地内の泥濘路でステアリング操作を失い、そのはずみで邸宅に激突した。ロミティ氏は救急隊員によって潰れた車内から救出され、地元の病院に運ばれた。診察によると骨にひびが入っており、全治40日という。
チェーザレ・ロミティ氏は1923年生まれ。アリタリア航空や国営産業復興公社系企業で財務畑の役職を歴任したのち、74年にフィアットに入社した。
金融部門のあと88−89年には自動車部門のトップに就き、財務中心の経営を推し進めた。しかしその陰で、90年代前半に同社の黄金時代の立役者ヴィットリオ・ギデッラが去っていったことも事実である。やがて96-98年には、フィアット・グループの会長も務めた。
昨年までは、新聞『コリエッレ・デッラ・セーラ』紙を発行している大手出版社RCSの社長を務めていた。イタリアにおける長者番付の常連でもある。
事故が起きた前日の県内は、ときおり豪雨が降る悪天候だった。