【スバルEV】一般ユーザー向けユーティリティ

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【スバルEV】一般ユーザー向けユーティリティ
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スバルが2009年の発売を目指し、今年度にも東京電力と協同で実証実験を開始する試作電気自動車『R1e』。その最大の特色は、一般ユーザーによる電気自動車の運用を現実的なものとするに充分なスペックだ。

専用の高電圧充電装置を使うことで、5分でバッテリー容量の9割まで充電率を回復させることができる。家庭用電源でも従来の半分程度、4−5時間程度で同等のエネルギーを蓄えることが可能だという。航続距離も現状で120km(10-15モード走行時)、今後はこれを200kmに伸ばすのが目標だが、「すでに技術的なメドはついていて、充分達成できる」(スバル技術研究所・将来動力源開発グループ主査・波戸崎修氏)という。

実用性の高さは、スペック面だけではない。その性能を、従来の軽自動車と同等のパッケージングで実現しているのも重要なポイントだ。NECとの合弁会社であるNECラミリオンエナジーが開発したマンガン酸リチウムイオン電池は、既存のリチウムイオン電池やニッケル水素電池に比べ、約2倍のエネルギー密度を持つ。

R1eは電池の高性能化による余力を航続距離の伸長ではなく、バッテリー搭載量の削減に振り向けることで、電気自動車をユーティリティ面でも一般ユーザーの使用に適したものに仕立てようとしているのである。電気自動車の普及には、各社バラバラの急速充電システムをどう規格化していくかといった難しいプロセスが数多く残されているが、少なくとも自動車の個体としては、普及の素地が確立されつつあるといえよう。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

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