アメリカの南部を直撃した大型ハリケーンの「カトリーナ」。死者数は、数千人に上り、また完全な復興には数年かかるとの見方も出ている。そして、このハリケーンの被害によって原油価格も高騰している。
その理由は「風が吹けば、桶屋が儲かる」よりも、ずっとシンプルだ。なぜなら、「カトリーナ」が上陸した米ルイジアナ州には、石油の生産・精製施設が集中しているが、これらのほとんどが破壊されてしまったからだ。ここではアメリカで消費される原油の約3割が採掘・生産されているが、その分がまるまる供給不足になるという。
アメリカ政府は、OPEC(石油輸出国機構)に増産を呼びかけているものの、増産余力のある国はサウジアラビアだけ。このため原油先物相場では、一時は史上最高値となる1バレル70ドルをつけた、というわけだ。
原油価格の高騰はガソリンや家庭用燃料の高騰ににつながるため、今後の世界の景気に与える影響も大きいのではないかと懸念されている。