【フォード フォーカス 日本発表】大きくなったのはコンセプトが変わったから

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【フォード フォーカス 日本発表】大きくなったのはコンセプトが変わったから
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新型『フォーカス』は旧型に比べ、ボディが大幅に拡大された。全長は18cm増の4350mm、全幅は13cm増の1840mm。全長はともかく、全幅は日産『シーマ』やホンダ『レジェンド』といったLクラスモデルとほぼ同じ。

欧州では側面衝突対策から、各社ともコンパクトカーの車幅を拡大する傾向にあるが、フォルクスワーゲン『ゴルフ』やルノー『メガーヌ』など、他のCセグメントモデルがおおむね1760−1780mmであるのと比べても、異例の幅広ボディである。

ボディが広がったぶん、側面のクラッシャブルゾーンにはゆとりができた。トレッド(左右輪の距離)拡大にも寄与しており、スタビリティ面は旧型に比べて大幅に進化していることは容易に推察できる。

が、この車幅拡大はネガティブな要素も含んでいる。5ナンバーをベースに設計された日本の道路や駐車場では、取り回しに苦労する局面に頻々と遭遇するだろう。最小回転半径も同じプラットフォームを使うマツダ『アクセラ』の5.2mから5.6mへと悪化。VW『ゴルフ』の5.0mをはじめ、多くのライバルに後れを取る。

旧型フォーカスは、ドライビングプレジャーもさることながら、コンパクトであるわりに広い室内、ユーザーフレンドリーな低価格といったベストエフォートの思想で欧州ユーザーの高い支持を得た。新型はそれに対し、「群を抜くドライビングの楽しさこそがフォーカスの核。期待を超えるステアリング性能と卓越したコントロール性を実現した」(チーフエンジニア・イアン・コンスタンス氏)と、走行性能の高さを前面に押し出している。この“コンセプトチェンジ”が新たなフォーカスファンを発掘するか。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

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