磐越道のバス横転事故、運転ミスのプロセスが明らかに

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今年4月、福島県猪苗代町の磐越自動車道で夜行高速バスを運転ミスから横転させ、乗客23人が死傷した事故を起こしたとして、業務上過失致死傷罪に問われた49歳の運転手の男に対する初公判が6日、福島地裁会津若松支部で開かれた。

被告は起訴事実を全面的に認めている。

事故は4月28日早朝に発生した。同日の午前6時10分ごろ、猪苗代町三ツ和付近の磐越自動車道上り線で、第1車線(走行車線)を走っていた近鉄バス運行の夜行高速バス「フォレスト号」が中央分離帯に衝突した。

バスは蛇行した後に横転。そのまま約50mに渡って滑走したが、この際に数人の乗客が割れた窓から車外に投げ出され、うち3人が死亡。車内に取り残された乗客を含め、20人が重軽傷を負った。

警察ではこのバスを運転していた49歳の男を業務上過失致死傷や道路交通法違反(安全運転義務違反)の現行犯で逮捕した。

その後の調べで男は「運転席隣にあるドリンクサービス用冷蔵庫のフタが開き、カタカタという音が響いた。気になって仕方がなく、それを閉めようと手を伸ばしたときにハンドルに手が触れたか、脇見をしたようだ」などと供述。警察でもこれを事故の主原因と判断している。

6日に福島地裁会津支部で開かれた初公判で、被告の男は起訴事実を全面的に認めている。

続いて行われた冒頭陳述では、法廷内に臨時に設置した大型スクリーンを使い、検察側がバスが横転するまでのプロセスを立体図で説明するという、珍しい試みがなされている。

それによると、被告は運転席の左側約94cmに位置する冷蔵庫のフタが完全に閉まっていないことで立てるカタカタという音が気になり、これを閉めようと右手をハンドル下部に掛けたまま、左手をフタの方に伸ばした。

だが、前方を注視していたこともあってフタには手が届かなかった。運転手はシートベルトを外して何度かチャレンジしたが、そのうちに体が座席からずり落ちた。

この際に右手でつかんでいたハンドルも左に引っ張られ、ハンドルがそれによって時計回り(右側)に動いたことで、95km/hの速度を維持したまま中央分離帯に衝突した。

さらに衝突の衝撃で逆方向に振られるなどした結果、バスは蛇行状態に陥ったまま約45m走行。割れた窓ガラスから乗客が遠心力によって車外に向かって振り落とされ、全身を強打して死亡した…と検察は指摘している。

被告は「走行中に物が落ちると大きな音が響くと考え、フタを閉めようと安易に考えた」と陳述している。
《石田真一》

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