BMWは、同社のオーストリア・シュタイヤー工場の工業用水の消費量を激減させる見通しを発表した。
同工場はグループ内最大のエンジン工場で、BMWの3エンジン中2つのエンジンの生産を担っている。2006年よりこれまでの利用量の1/3にあたる約3万立方メートルの工場用水の節水を図る予定だ。
シリンダーヘッドやクランクケース、クランクシャフト、コネクティングロッドなどの重要コンポーネントは異なる過程を経て製造されるが、そのいずれの工程でも洗浄、すすぎ、冷却、切削油の乳化という作業が発生し、水はそれらの作業にとって不可欠だ。
工業用水は常にリサイクルしているにも関わらず、定期的に入れ替える必要がある。しかし、同社は2段階方式の廃水利用技術を導入し、用水を入れ替えることなく、非常に純度の高い再利用水を製造過程で再度利用することが可能になった。
超微粒子用のフィルターシステム、ナノテクを利用したフィルターシステム、逆浸透性を応用した有機物除去システムを技術の核とし、2次再生水も製造工程に完全利用するシステムで、シュタイヤー工場から出る排水はゼロとなり、工場内での完全循環が達成された。
この新システムの導入は2段階に渡って施行され、第1段階は完成したばかりで、第2段階の本稼動は2006年に予定している。