マイクロサイズのスペシャリティEVというジャンルのゼロスポーツ『エレクシードRS』。エコカーワールド2005(6月11−12日、横浜)でゼロスポーツが公開したのは、同社が独自に新開発しているリチウムイオン電池を搭載したエレクシードRSの試験車両だ。
同社はスバル車用のチューニングパーツやコンプリートカーの製造と、ガソリン車のEVへのコンバートやオリジナルEVの製造・販売という2つの顔を持つ。EV事業もお遊びなどではなく、ゼロスポーツ製造のEVは地方自治体など公的機関へも納入されている。
今回展示されたエレクシードRSは、運転席の両側に105枚のノート型リチウムイオン電池がレイアウトされている。「販売中の鉛電池版と比べ、同じ容量だと電池の重量が半分以下になりました」と説明するのはゼロスポーツ・車両グループの小野木俊郎マネージャー。
既存の鉛電池と容量を同じにしたのは、性能比較をしやすくするためだという。新型電池を搭載したエレクシードRSは、車両重量が従来車の430kgから70kgも低減でき、一充電あたりの走行距離も約70kmから100kmに延長されている。
なるほど、エレクシードRSがさらに高性能になるわけですね、と尋ねると意外にも「エレクシードRSのリチウムイオン版を発売すると決まっているわけではありません」という。
「もちろんその可能性もありますけど、まずは航続距離200km、あるいは300kmを目指したい」と説明する。ゼロスポーツではEVの航続距離を3倍にするべく電池を開発中だという。これが実現できればEVの利便性は飛躍的に高まり、EVはメジャーな商品になる得る。
広報資料には「次期モデルの2人乗り小型電気自動車ではリチウムイオン電池を搭載の予定」と書かれている。つまり、エレクシードRSとは別のモデルを開発しているということだ。どういったクルマになるのか発表する段階ではないとのことだが「電気自動車メーカー」の活躍に期待する。