8日、広島県広島市内で、運転中の携帯電話使用を発見され、パトカーの追跡を受けていた男がこれを逃れようとクルマを捨て、川に飛びこんで溺死する事件が起きた。男は別の窃盗容疑で手配されて逮捕状も出ていたという。
広島県警・広島中央署によると、事件が起きたのは8日の午前1時ごろ。広島市中区八丁堀付近をパトカーでパトロールしていた同署員が、クルマを運転しながら携帯電話を使用している男を発見した。赤色灯とサイレンを使用した状態で追跡、マイクで停止を呼びかけた。
クルマは約500m走ったところで指示に従って停止。携帯電話使用を署員が告げると、男は「すいません」と一旦は謝罪した。
その後、この署員は男に対して職務質問を実施したが、この段階で男が窃盗容疑で手配され、逮捕状の出ている人物と同一だということが確認された。
男は照会の内容を悟ったのか、そのままクルマを急発進させて逃走。署員もパトカーに乗りこんで再び追跡を開始した。
猛スピードで逃走するクルマは約10分後の午前1時10分ごろ、広島市中区白島北町付近の交差点に赤信号を無視して進入し、タクシーと出会い頭に衝突して自走できなくなった。
男はクルマを捨て、近くのフェンスを乗り越えて下を流れる本川に飛びこんだ。
男は約200m下流で発見されたが、すでに意識はなく、収容先の病院で死亡が確認された。死因は溺死とみられている。
警察では「追跡は正当であり、無理もなかったと考えている。男が川に飛びこむ行動は予見できなかった」としている。