【D視点】フランス気質再考…プジョー 407 をめぐって

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★フランス人が威張るとき

さらにもう一点、フランス車デザインの特異性について考察してみよう。フランスにも偉い人は多数いるであろうに、押し出しが強かったり、ぎらぎらしたメッキをつけた偉そうなフランス車を見ることはない。なぜなのか。

多くの人が集まり社会が構成されると、自ずと上下関係が出来てくる。そして必然的に、偉い人とそうでない人を表す様々なしきたりや表現が生まれるものだ。大勢の人物が描かれている中で、特別に大きく描かれた人物のいる昔の絵を見たことがある。これも「偉さ」の表現だ。

ところが偉そうなフランス車を見ない。いっぽうフランス気質を表す話として、観光客がフランスで道を尋ねても、フランス語以外では決して答えてくれないと聞く。またフランス人は、分厚くて難解な一冊の本を何処に行くにも持ち運んでいるとも聞く。

先の話はフランス人の気位の高さを揶揄する例として使われるが、この気位の高さは、「偉さ」というより自尊心から出ているような気がする。後の例は、高価なブランド品で身を固めることより、自己を磨く努力に価値があるということなのであろう。

フランス人の価値観が、このように内面をより重視するのであれば、外見で地位の高さを強調することはあまり意味がない。自身から溢れ出てくる気品が重要であり、たとえ外見で見せるとしても、自己の気品を際立たせるような見せ方を選択するであろう。

フランスでも、大きなクルマはそれなりの偉さの表現が求められるはずだが、フランス人特有の「偉さ」の形式をまとったクルマとなる。

それは気高さ、あるいは王朝時代に見られたような華美でエレガントなこと、さらに加えるなら新奇性のあること、などであろう。これからはそういう目でフランス車を見てみよう。フランス流で「偉そうな」クルマがあることに気付くだろう。

★とらえどころ無いがゆえに新しい
★イタリアの香りがするフランス
★フランス人が威張るとき

《松井孝晏》

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