トヨタ自動車の2004年度の取締役(常務役員除く)報酬が総額で9億3800万円だったことが9日までに明らかになった。
03年度実績に比べると7.4%の減少であり、最高の業績を更新し続けているなかでも経営陣のつましい姿勢が浮き彫りになっている。
トヨタの同年度末の取締役は26人であり、単純平均すると1人当たり3474万円となる。同年度は役員賞与についても減少した。報酬や賞与は取締役の歴任年数などによって変動するため、マイナスになったものと見られる。
トヨタの取締役報酬は、工販が合併した1982年に上限が年15億6000万円と決められており、実に23年も「ベアゼロ」が続いている。
実際にクルマを生産する現業部門の人材でトヨタは成り立っているという価値観が同社の伝統であり、労使協調路線の根源ともなっている。
ただ、ルノー傘下となってほぼ毎年、取締役報酬の上限を引き上げている日産自動車との1人当たり報酬の差は開く一方だ。