【神尾寿のアンプラグドWeek】クルマ連携に「小さな一歩」…au 05夏モデル

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●好調auの新製品攻勢

23日、KDDIグループのauが2005年夏モデルの発表を行った。記者会見の冒頭、KDDI取締役執行役員常務au事業本部長の両角寛文氏は、昨年も純増シェアで1位になったことと、各種市場調査でauの顧客満足度がドコモを上回っていることを報告。

昨今のauの順調な成長について、両角本部長は「(au躍進の柱は)コンセプトが明確な幅広い端末ラインナップを揃えていること、着うたフルなど他社にないサービスを備えること、ダブル定額など3Gのメリットをいち早くお客様に還元していること。これらが総合的に評価されている」と語った。

今回、投入される新端末は5機種。うち『W32SA』(三洋電機製)、『W31CA』(カシオ計算機製)、『W31T』(東芝製)の3機種が先進3GサービスのCDMA 1x WIN対応、『A5511T』(東芝製)と『A5512CA』(カシオ計算機製)の2機種がベーシックな3GサービスCDMA 2000 1x対応機だ。発売は6月中旬から順次行われる。

●Bluetooth対応でWIN最薄、W31T

自動車メディアの視点で、まず注目なのが、Bluetooth(ブルートゥース)への対応だろう。

今夏のauラインナップでは、東芝製のW31Tのみが対応している。トヨタがG-BOOK ALPHA / G-LINKで、携帯電話との接続はBluetoothに一本化したことから、トヨタ資本の参加するKDDIのBluetooth対応が積極化するかと思われたが、今回のラインナップを見るかぎり、「Bluetoothはニーズのひとつに過ぎない」という姿勢に変化はないようだ。

Bluetoothに対するキャリアの姿勢に不満はあるものの、3G端末としてのW31Tは出色のできばえだ。

まずスリムでスタイリッシュ。厚さ20mmはWIN端末として最薄であり、すっきりとしたデザインは瀟洒で落ち着きがある。特にターマックグレーやソルティホワイトなどは、オトナの男女が持っても様になる。

機能面でも充実している。Bluetooth対応部分は先代『W21T』と同等だが、カメラ機能は236万画素CCD搭載と大幅に強化された。また、インターネット上のPCサイトを携帯電話で見られるフルブラウザ「Opera」にも対応。auはフルブラウザ利用時にも、上限5700円/月の定額制適用になる。

●FMトランスミッター搭載でカーAV連携も…W32SA

Bluetoothには対応していないが、オーディオ連携という点で注目なのが、W32SAである。同機はAV機能を強化したモデルで、今夏の新サービス「EZテレビ」に対応するほか、FMラジオ機能やminiSDメモリーカードに保存した音楽を再生する「SD-Audio」機能、「着うたフル」などを備える本格的なAVケータイだ。

中でもユニークなのが、W21SAが「FMトランスミッター」機能を標準で搭載する点だ。

これによりminiSDに保存したリッピング音楽、着うたフルなどを、カーステレオやホームオーディオに"出力"する事ができる。iPodも当初はFMトランスミッター経由でカーオーディオ/カーナビと連携していた事を鑑みれば、W32SAのFMトランスミッター搭載は、「カーオーディオと音楽ケータイ連携」の走りと見ることもできるだろう

iPodブームが早々に到来した北米と異なり、日本では昨年後半から今年にかけて、デジタル音楽ブームが本格化したところだ。そのため先進的なPCユーザーを除く一般層では、iTunesなど特定のソフトウェアに未だ音楽ライブラリを構築していない。

「これからデジタル音楽ライブラリを作る」段階であり、ソニーやパナソニックなどアップル以外のデジタル音楽プレーヤーや、音楽ケータイが普及する余地は残されている。

特に若年層や女性など音楽のメーンユーザーは、携帯電話リテラシーが高い。シリコンオーディオプレーヤー機能を持つ「音楽ケータイ」が、今後、ライトコンシューマー層に普及する可能性は高い。W32SAのように、カーオーディオとも連携可能な音楽ケータイのニーズは意外と高いかもしれない。

●GPS位置情報を使った“安全・安心”サービス

治安の悪化や凶悪犯罪の増加を受けて、GPSを使った安全・安心サービスも強化された。auは今夏の新機種向けに位置検索サービス「安心ナビ」(月額315円)を投入。これはau端末同士の位置を互いに確認できるサービスだ。

安心ナビの位置確認サービスでは、自分のアドレス帳に登録しているauユーザーに対して位置確認メールを送信。受信ユーザー側が同意すれば、相手の位置情報がわかる。

さらに「いつでも位置確認」機能では、事前に登録したユーザーの位置が相手の了承なしで自動確認できる。KDDIによると、この機能は主に子どもの位置確認を想定しているという。

また、あらかじめ登録した携帯電話が、最寄り駅や自宅、塾や学校など事前に登録した位置に入ると自動的に通知がある「安心ナビ エリア通知」機能も用意されている。これは共稼ぎ家庭などで、子どもの帰宅や行動を把握したいユーザーに便利な機能だ。

テレマティクスの世界でも、トヨタのG-BOOK ALPHAを筆頭に通信を使った安全・安心サービスが注目されているが、auの安心ナビは、携帯電話の利用シーンでのセキュリティ分野の取り組みといえる。これら一連の動向は、通信サービスを用いたセキュリティサービスが普及段階に入り、ビジネスとしても重要になってきている証左だろう。

《神尾寿》

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