群馬県警と長野県警は21日、群馬県内のガソリンスタンドから大量のガソリンを盗んでいたとして、48歳の男を筆頭とするグループ3人を窃盗容疑で逮捕した。
主犯の男は別の窃盗容疑で長野県警に逮捕されており、この捜査の過程でガソリン盗難への関与が明らかになった。
群馬、長野両県警の合同捜査班によると、ガソリン大量盗難容疑で逮捕されたのは、前橋市内に在住する48歳の男や、その長男で16歳の少年。56歳の男の3人。直接の逮捕容疑は今年3月に玉村町内で発生した事件。
問題の事件は今年3月1日に発生している。玉村町藤川付近にあるガソリンスタンドの店長から「地下タンクに貯蔵していたガソリンが盗まれたようだ」との110番通報が寄せられた。
警官が現場に急行して確認すると、このガソリンスタンドの地下にある貯蔵タンクのうち、レギュラーガソリンを収めているタンクが空になっており、前夜の閉店時に貯蔵されていた約1万3500リットル(時価140万円相当)が無くなっていた。
群馬県内ではこの事件が起きるまでにガソリンスタンド7店舗で同様の事件が発生しており、被害総額の合計は約600万円に達していた。盗難にはタンクローリーが必要という特異形態の犯罪であることから、警察では同業者が関与している可能性が高いとして捜査を行っていた。
玉村町での事件以後、犯行はピタリと収まっていたが、長野県警が3月2日に別の窃盗容疑で逮捕した男が「ガソリン盗難への関与を自供している」と群馬県警に連絡してきた。このため両県警は合同捜査班を設置。捜査を行ってきた。
現状では盗んだガソリンがどうなったのかは明らかになっていないが、ガソリンが高騰している最近の現状を考えれば換金目的で転売された可能性が高く、今後は転売ルートの解明を急ぐ方針だ。