1日朝、群馬県玉村町内のガソリンスタンドで、地下の貯蔵タンクに納められていたガソリン約1万3500リットルが盗まれる事件が起きた。閉店後に何者かがタンクローリーを使い、強引に抜き取って行ったものとみて調べを進めている。
群馬県警・伊勢崎署によると、警察が事件発生を認知したのは1日の午前7時30分ごろ。玉村町藤川付近にあるガソリンスタンドの店長から「地下タンクに貯蔵していたガソリンが盗まれたようだ」との110番通報が寄せられた。
同署員が現場に急行して確認すると、このガソリンスタンドの地下にある貯蔵タンクのうち、レギュラーガソリンを収めているタンクが空になっており、前夜の閉店時に貯蔵されていた約1万3500リットル(時価140万円相当)が無くなっていた。
群馬県内では幹線道周辺にあるガソリンスタンドを中心にこれまで7店舗が同様の被害に遭っており、ガソリン約3万5800リットル、軽油や灯油約3万3000リットルが盗まれている。被害総額の合計は約600万円に達するものとみられている。
ガソリンは地下のタンクに貯蔵していることが通常だが、吸い上げには強力なポンプが必要であること。また、盗んだガソリンを輸送するにはタンクローリーの存在も不可欠であることから、その手口からも普段ガソリンを扱っている業者が関与している可能性は高いという。
原油価格の高騰によってガソリン価格の仕入れ値も徐々に上がっており、素性のわからない格安のガソリンを販売した場合にも、業者間の引き合いは強いのではないかという推測もあり、警察では業界団体に対して「そのような購入の案内があったときには一報してほしい」と要請しているようだ。