シトロエンC5には、ハイドラクティブIIIと呼ばれる、油圧式のサスペンションが採用されている。このサスペンションは、クルマのロールなどの動きをコントロールするほかに、走行する条件に合わせて、簡単に車高を上げたり、下げたりすることができる。
高速走行時にはフロントが10mm、リアが6mm自動的に車高を下げ、安定した走行姿勢を保ってくれる。さらに、時速70km/hで悪路を走行しているときには、自動的に前後の車高を13mm上げてくれる。
そしてセンタコンソールのスイッチでは停車時に、4段階で車高を上げたり、下げたりすることができる。その差は一目瞭然で、一番上と一番下では、12cm程度も車高を変えることができる。これは主に整備のときや、非常時に使われるものだが、この状態でも時速10km/hまでなら走行も可能。そして、そのまま走行を続けた場合には、自動的に標準の車高に合わせてくれる。
ワゴンのブレークには、ラゲッジサイドにリアの車高調節のスイッチが設けられており、このスイッチでもラゲッジフロアの高さを49.3〜65.3cmまで無段階で調整することができる。積荷が重く、高い位置まで上げることがつらいときや、逆に高い位置のもを積むときなどには便利だろう。
秀逸な乗り心地を実現するハイドラクティブIIIは、意外に多くの付加機能が設けられているのだ。