目的は何なの? タクシーが女に強奪される

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8日、兵庫県神戸市内でタクシーが女に強奪されるという事件が起きた。タクシーを追跡し、走行を抑止しようとしたパトカーが体当たりの犠牲となって大破しており、警察では窃盗容疑で逮捕した女を厳しく追及。動機の解明を急いでいる。

兵庫県警・葺合署によると、事件が起きたのは8日の午前10時ごろ。神戸市中央区若菜通6丁目付近の市道で、64歳の男性が運転するタクシーに対し、後続の乗用車が追突した。

後続車を運転していた男は「すいません」などと言いながら近寄り、後部に出て被害の状況を確認するために車外に出るように男性へ依頼。

男性がこれに従う形でタクシーから降り、後部に歩み寄ったところ、乗用車の助手席側から飛び出てきた女がタクシーの運転席に乗り込み、そのまま急発進していった。

男性が警察に通報している間、乗用車を運転していた男もクルマに乗り込んで逃走。警察では窃盗と当て逃げの両方向から捜査を開始した。

午前10時20分ごろ、パトロール中の同署員が神戸市灘区泉通2丁目付近にある灘税務署の駐車場に盗まれたタクシーが止まっているのを発見。これに近寄ろうとしたが、タクシーは急発進し、その場から逃走している。

連絡を受けた別のパトカーが先回りし、道路を塞ぐかたちで走行を抑止しようとしたところ、タクシーはこれに正面から体当たりして強引に突破口をつくり、そのまま走り去った。

しかし、体当たりによって生じた車体のダメージは大きく、タクシーは数十メートル走ったところで力尽き、走行できなくなった。

運転していた女はクルマを捨てて、近くのマンションに逃げ込もうとしたが、追ってきた警官が取り押さえ、窃盗の容疑で逮捕している。

逮捕されたのは神戸市内に在住する33歳の女で、取り調べに対しては「乗用車に乗っていた男から、借金を返せないならタクシーを盗めと言われた」などと話しているという。

売上金目当ての盗難とも推測されるが、女はクルマを運転していた男については「どこの誰かも知らない」などと話しており、詳しい動機についても「私は知らない。私は命令されただけ」などの言葉を繰り返しており、捜査は難航しそうだ。

《石田真一》

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