バイクを奪う目的で故意に衝突事故を起こし、1人を死亡、もう1人に全治3カ月あまりの重傷を負わせたとして、強盗致死傷や道路交通法違反(救護義務、無免許運転)の罪に問われた18歳の少年に対する初公判が14日、大津地裁で開かれた。
被告は起訴事実を否認している。
問題の事故は今年6月23日に発生している。同日の午前2時40分ごろ、大津市晴嵐1丁目付近の県道で、走行していた2人乗りのバイクに対し、後方から接近してきた乗用車が側面から衝突してきた。
クルマとの衝突によって、バイクは歩道側に弾き飛ばされ直後に転倒。乗っていた2人が路上に投げ出された。クルマも歩道に乗り上げる状態で停止。乗っていた複数の男はクルマを放置し、その場から走って逃走した。
バイクに乗っていた2人は近くの病院に収容されたが、17歳の少年が肩の骨を折る全治3カ月あまりの重傷。頭を強打したことで事故直後から意識不明だった16歳の少年は事故から約1カ月後に意識を回復しないまま死亡している。
滋賀県内では故意に追突や衝突する事故を起こし、バイクを強奪する事件が相次いでいたことから、今回の事件も同様のものと断定。強盗致死傷事件として捜査を開始した。
この結果、放置されたクルマに残された指紋などから、京都府城陽市内に住む18歳の少年が事件に関与したと判断。同容疑で逮捕・起訴され、家裁で少年審判を受けていたが、罪状が悪質と判断されて検察官送致(逆送)となり、地検が通常起訴していた。
14日に行われた初公判で、被告の少年は起訴事実を全面的に否認。「バイクを奪うためではなく、止めようとしていただけ」などと証言している。