26日深夜、愛知県春日町内の県道で、整備不良のクルマを発見し職務質問をしようとしたパトカーを、このクルマが故意に衝突して破壊、そのまま逃走する事件が起きた。
約40分の追跡の末、パトカー数台で周囲を取り囲んで走行を抑止。運転していた21歳の女を公務執行妨害で現行犯逮捕した。
愛知県警・西枇杷島署によると、事件が起きたのは26日の午後9時45分ごろ。春日町落合付近の県道でヘッドライトの球が切れたまま走っている乗用車を同署・地域課のパトカーが発見。職務質問のため、このクルマに停止を命じ、前方に停止した。
ところが乗用車はパトカーが停止し、乗務していた警察官がドアを開けると、突然アクセルをふかして後部に衝突。バンパーなどを破壊した後、警察官の制止を振り切って逃走した。
パトカーは追跡を開始するとともに、県警本部に対して応援を要請した。クルマは春日町内を出て、隣接する稲沢市や一宮市などを駆け抜けた。
追跡に参加したパトカーは近隣の他の警察署や機動捜査隊のものを合わせて28台に達し、クルマはこれらを引き連れながら約30kmを逃げ続けた。
逃走は約40分に及んだが、一宮市猿街道3丁目付近の市道で6台のパトカーで容疑車両の周囲を取り囲み、一斉に速度を落として走行を抑止。運転席にいた21歳の女を公務執行妨害の現行犯で逮捕した。
女は無免許で、警察の取り調べに対しては「無免許の発覚を恐れて逃げた」と供述している。
しかし、後の調べで容疑車両に装着されていたナンバープレートが変造されたものであることが発覚。警察ではこの女が別の犯罪に関与している可能性が高く、その発覚を恐れて逃げたものとみて、女を厳しく追及する方針だ。