身勝手、遵法意識にも欠ける…死亡事故で実刑判決

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今年4月、飲酒運転の発覚を恐れ、追跡してくるパトカーから逃れようとした際にタクシーと正面衝突する事故を起こし、運転手を死亡させたとして業務上過失致死などの罪に問われた22歳の男に対する判決公判が26日、函館地裁で開かれた。

裁判所は懲役3年の実刑判決を言い渡している。

問題の事故は今年4月19日未明に発生している。同日の午前4時45分ごろ、函館市内をパトロールしていた同署・地域課のパトカーが信号無視を行った乗用車を発見した。

パトカーは停止を命じたが、クルマはこれを振り切って猛スピードで逃走。函館市柏木町付近の交差点から一方通行の市道を逆走して進入、順走してきたタクシーと出会い頭に激突した。この事故で49歳のタクシー運転手は頭を強打。脳挫傷が原因で死亡している。

男は業務上過失傷害の現行犯で逮捕され、運転手の死亡後に容疑が同致死に切り替えられたが、取り調べに対しては「飲酒運転の発覚を恐れて逃亡した」と供述していた。

後に同罪で起訴されるが、検察側は初公判の冒頭陳述の際には「飲酒運転と信号無視での摘発を恐れ、パトカーの追跡を逃れようとした。事故の結果は殺人罪に匹敵するほど重い」と主張。裁判所に厳しい判断をするように求めていた。

26日に行われた判決公判で、函館地裁の園原敏彦裁判官は「被告は酒気帯び運転の発覚を恐れ、追跡を逃れるため住宅街を高速度で走行するなど、危険極まりない運転を行った」と指摘した。

その上で「交通法規を軽視するなど、遵法意識に欠けており、逃走の動機も自己中心的だった」として、被告の男に対して懲役3年の実刑判決を言い渡した。

《石田真一》

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