保険金をシステマチックに騙し取る…12人逮捕

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北海道警は21日、架空会社を設立するなどして、組織的に交通事故を偽装し、保険金を騙し取っていた元暴走族グループを摘発。23歳の男ら12人を詐欺容疑で逮捕するとともに、主犯格とされる23歳の男を同容疑で全国に指名手配した。

北海道警・捜査2課によると、詐欺容疑で摘発されたのは札幌市内を拠点としていた元暴走族に所属していたメンバーで、23歳の男ら12人。主犯格とされる元リーダーで、23歳の男は今も逃走中だという。

調べによると、主犯格の男は札幌市中央区内に架空の会社4社を設立。元メンバーの12人をそこで働く社員と偽装。架空の交通事故をでっち上げた際、仕事を休んだことにするなどして保険金を騙し取っていた疑いがもたれている。

男らはレンタカーを使い、それを無人のクルマにぶつけるという手口で事故を偽装。メンバーを加害者役と被害者役、証言する同乗者など、それぞれに役割を決めて行っていた。

偽装は複数回に及んだが、男は参加するメンバーをパソコンで管理。参加メンバーが重複することのないよう、厳密に管理していたという。

また、設立した架空会社のうち、中心的な2社についてはNTTのタウンページなどに電話番号を掲載。会社として信用させる工夫をしていたほか、アルバイトを管理するのと同じ感覚で参加メンバーの管理を行い、経理係と称する幹部メンバーが役割や貢献の度合いに応じて報奨金を手渡していた。

事故が偽装であることに気がついたのは、保険会社の事故処理担当の社員で、会社の名前が異なっているものの、電話番号と所在地が同じという複数のケースを発見。会社に業務実態が確認されないことから警察に被害を届け出た。

グループは2002年秋から昨年末に掛けての間、約30件の偽装事故を起こしており、スポット参戦するメンバーを含めると、事件に関与していたのは30−50人規模になるとみられている。

警察では逮捕した12人を追及して事件の全容解明を急ぐとともに、逃げた主犯格を全国に指名手配し、その行方を追っている。

《石田真一》

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