21日午前、岐阜県坂内村で約50m上の村道から転落したとみられる軽自動車の車内に生存者がいるのを、たまたま現地を訪れた2人の釣り人が発見、警察に届け出た。
救出された35歳の男性は腰などに打撲を負っているものの、命に別状は無かった。
岐阜県警・揖斐署によると、21日の午前9時20分ごろ、「坂内村川上付近にある池ノ又谷にクルマごと落ちた男性を救助した」と釣り人から警察に通報があった。男性は近くの病院に搬送されて治療を受けたが、腰などに打撲を負っているものの、命に別状はないという。
男性は今月14日の午後8時ごろ、発見現場の沢から約50m上にある村道を軽自動車で走行していた際、運転を誤って谷底に転落した。クルマは大破したが、運転していた男性は軽傷で済んだ。
男性は携帯電話や食料は所持しておらず、一時は自力で脱出することも考えたが、腰を痛めていたことや、落下地点が急斜面であったことからこれを断念。以後、発見されるまでの1週間は沢の水を飲むだけで飢えに耐えていたという。
発見されたのは21日の午前8時30分ごろで、釣り人はたまたま現地を訪れたという。笛の音がするので沢に下り、大破したクルマを発見したが、状況から生存者がいるとは思えず、助手席側から乗員が這い出てきたときには死ぬほど驚いた…と証言しているようだ。
現場は坂内村の中心部から北西に9kmほど離れた地点にあり、村道の交通量は非常に少ないとされる。
警察では「高所からの落下にも関わらず、男性が助かったのは途中の樹木に何度かクルマが引っかかり、その度に落下速度が軽減されたからではないか。普段はあまりクルマが通らない場所だけに、発見されたこと自体が奇跡的だ」とコメントしている。