『クラウンマジェスタ』は、『セルシオ』がレクサス店に移管した後には、通常の手段で購入できるトヨタ車としてはトップの座に位置するクルマとなる。トヨタ最高を約束されたクルマだからこそ、様々なハイテクを盛り込んでいる。
安全装置も最新鋭のモノがいろいろ用意されているが、カタログを眺めているだけでは設定モデルが何なのだからわからない。
まず、プリクラッシュセーフティは2種類がある。ブレーキの踏み込み量から回避を目的とした急ブレーキであるかどうかを判断し、急ブレーキと判断した場合にシートベルトを巻き取って乗員を拘束する「緊急ブレーキ式」と、グリル内蔵のミリ波レーダーによって前走車との距離を判断し、減速が間に合わない場合に乗員の拘束を図る「ミリ波レーダー式」の二つだ。
後者は「Cタイプ」のみに設定され、「Aタイプ」にはない。
レーダークルーズコントロールをオーダーすると、「Cタイプ」では、プリクラッシュセーフティが「ミリ波レーダー式」となる。逆に言うと「Cタイプ」でレーダークルーズコントロールをオーダーした場合には、28万3500円を支払ってミリ波レーダー式プリクラッシュセーフティも取り付ける必要があるということだ。
「Aタイプ」についてはミリ波レーダーの設定がないため、クルーズコントロールのみを行うレーザーレーダーが取り付けられる。
さらに設定を難解にしているのが「低速追従モード」の有無。4WDの「Cタイプi-Four」にはレーザーレーダーが設定されておらず、低速追従モードが使えない。通常域(50km/h−)でのクルーズコントロールについてはミリ波レーダーを使う。2WD(FR)の「Cタイプ」と「Aタイプ」には、レーザーレーダーも設定される。
「Cタイプ」でレーダー式プリクラッシュセーフティと低速追従モード付きクルーズコントロールを設定した場合、レーダーは2種類取り付けられるということ。低速域はレーザーを、通常域ではミリ波を使う。照射角の違いからそうなってしまった。
また、9月以降から設定可能な「レーンキーピングアシスト」を取り付けた場合、ミリ波レーダー式プリクラッシュセーフティがカメラ撮影画像の解析をプラスするタイプとなる。制御ソフトも違うものになるようだ。
あまりに多様で何を付けていいのか見当もつかないが、ある営業担当者は「全部いらないというお客様か、全部持ってこいというお客様に二分化されると思うので現場での説明にはあまり苦労しないはず」と予測する。なるほど……。