丸太が降ってきた! 電車が乗り上げ脱線

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2日朝、和歌山県海南市内の国道で横転した大型トレーラーから丸太33本が下を走るJR紀勢線の線路に落下。約15分後に現場を通過した快速電車がこれらに乗り上げて脱線した。電車の乗客など13人が軽傷を負っている。

和歌山県警・海南署によると、事故が起きたのは午前7時から午前7時15分ごろにかけて。同日の午前7時ごろ、海南市冷水付近の国道42号線で、大型トレーラーが速度超過のために急な左カーブを曲がりきれずに対向車線に逸脱した。

大型トレーラーは、前から走ってきた軽自動車との衝突を避けようと急ハンドルを切った結果、JR紀勢線を跨ぐ橋の真上で横転した。トレーラーには長さ10m、直径50cmあまりの丸太40本が積載されていたが、このうち33本がガードレールを破壊して真下の線路に落下してしまった。

近くの住民が「トレーラーが横転して丸太が線路に落ちた」と110番通報。警察はJR西日本に対してこれを連絡し、同社の天王寺列車集中指令所は現場付近に接近していた快速電車に対して停止命令を無線で流した。

しかし、丸太は無線の増幅装置ケーブルを破断しており、電車の運転士は事態を把握できないまま、横転事故から15分後に現場の真下に位置する冷水浦駅に差し掛かった。運転士は線路上の丸太に気がついて急ブレーキを掛けたが、先頭車両が乗り上げ脱線、制御が効かないまま約80m先にあるトンネルに車体を接触させながら突っ込んだ。

この事故で電車は客室の窓ガラスなどが多数破壊され、破片を浴びるなどした乗客11人が負傷、近くの病院に運ばれた。また、トレーラーを運転していた42歳の男性と、軽自動車を運転していた30歳の女性も軽傷を負っているという。

現場は阪和自動車道の海南インターチェンジから約1kmの地点。事故を起こしたトレーラーは80km/h近い速度で走っており、運転手は現場でカーブに気づいて急減速したが、「曲がりきれずに対向車線側に飛び出してしまった」と供述している。

警察では現地入りした国土交通省の航空・鉄道事故調査委員会と共同で現場検証を行い、事故原因の特定を急ぐ方針だ。

なお、JR紀勢線は事故直後から現場付近で不通だったが、3日午前までに復旧している。

《石田真一》

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